記事掲載日:2004年7月3日
- レジオネラニュース
町民プールジャグジーからレジオネラ属菌、検出など公表せず–西ノ島町*/島根
2004/07/03の毎日新聞 地方版によると、島根県の西ノ島町美田の町営施設「町民プール」の施設内のジャグジーから、公衆浴場の国の基準値を大幅に上回るレジオネラ属菌が検出されたため、管理・運営に当たる町教委が使用を中止して対策を施し、再開させたが、菌検出などを町民に公表していなかったことが2日、分かったという。法的に公表義務はないものの、各地で死者を出しているレジオネラ属菌に対する関心は全国的に高く、情報公開への姿勢が論議を呼びそうだ。 町教委の説明によると、今年3月、全国でのレジオネラ属菌の発生事例を受け、ジャグジーの水質調査を県環境保健公社(松江市)に依頼。その結果、公衆浴場を対象とした国の基準値の約1万3000倍に当たるレジオネラ属菌が検出されたため、同29日に使用を中止したという。 一方、利用者の菌感染についての聞き取り調査も行わず、保健所に「感染の疑いはない」と報告していた。これについて町教委は「プールの受付でも感染が疑われる話は聞いておらず、常連さんばかりなので何かあれば分かる」と説明するが、再開から1ヶ月後の2日、約120人の会員に対してレジオネラ属菌の発生と対応の説明を開始した。8月の町広報紙でも一連の経緯について説明するという。 平木満・町教育長は取材に対し、「早急な施設改善に努めたが、住民への説明まで頭が回らず、対応が遅れたことは大変申し訳ない。決して隠していたわけではない」と話しているという。