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浴槽と感染者、菌一致宮崎・日向の温泉でレジオネラ【西部】
2002/07/31朝日新聞 朝刊によると、宮崎県日向市の「日向サンパーク温泉」(社長・山本孫春日向市長)のレジオネラ菌集団感染で、宮崎県は30日、浴槽の水から検出された菌と感染者1人から検出された菌のDNAの配列パターンが一致した、と発表した。県は施設が感染源だったことが確定したとして、同社が運営する温泉施設を同日から60日間の営業停止処分にした。県は、同温泉内で採取した湯の菌と、感染者の50代の男性のたんに含まれていた菌のDNAを同県衛生環境研究所で検査した。 県衛生管理課は、菌はろ過装置内で繁殖した可能性が高いとみている。 同課のこれまでの調査では、浴槽などの水から、最高で国の基準の15万倍の濃度のレジオネラ菌が検出された一方、消毒用の塩素がまったく検出されなかったことが明らかになっている。施設利用者にレジオネラ菌感染の疑いのあることがわかった19日に県日向保健所は営業自粛を行政指導したが、施設側は5回にわたる要請を無視し、23日まで営業を続けた。行政処分に踏み切った理由について、県衛生管理課は「施設側が衛生面での管理を怠ったことは明らか」と話している。 ○契約書類など資料145点押収 県警の家宅捜索 レジオネラ菌集団感染で、宮崎県警は30日、業務上過失傷害容疑で家宅捜索した「日向サンパーク温泉」が運営する日向市幸脇の温泉施設「お舟出の湯」と日向市役所から、配管工事業者との契約書類など145点の資料を押収した。 ○「市にも過失」 日向市長認める 日向サンパーク温泉の社長を兼務する日向市の山本孫春市長は30日、記者会見し、「市と第三セクターには、過失責任があると認識している。被害者のみなさんには、誠意をもって応えていきたい」と明言した。 市長は19日の宮崎県日向保健所からの営業自粛要請について、当日中に報告を受けていたことも認めた。20日以降も営業を続けたことについては「予約もあるので、という現場の言葉を受け入れてしまった」と述べた。