記事掲載日:2002年4月8日
- レジオネラニュース
函館市衛生試験所レジオネラ菌検査へ*来年度公衆浴場など対象
2002/05/08 北海道新聞夕刊地方版によると、函館市衛生試験所は来年度、公衆浴場などを対象にレジオネラ菌の検査を始める。レジオネラ菌による感染事故が全国で発生していることから、老人福祉施設や公衆浴場などの衛生管理状況を徹底検査することによって発症を未然に防ぐ。 レジオネラ菌は土中や池などの自然界に存在する細菌で、空調設備の冷却水や給湯器、循環式の浴場などで繁殖しやすいといわれ、60度以上で加熱すれば死滅する。 菌の混じった湯気などを吸入することによって感染し、子供や高齢者など免疫力の低い人が肺炎を引き起こすこともある。1月、東京の銭湯で70代の男性が入浴中に誤って湯を飲み、レジオネラ肺炎による呼吸困難で死亡したことが分かった。 こうした事例が相次いでいることから、道は昨年11月、国の指針に従い、公衆浴場法施行条例を一部改正して水質基準を追加、浴槽の水100mL当たりのレジオネラ属菌の数を10個未満とした。 函館市衛生試験所はこの水質基準を踏まえ、来年度から老人福祉施設の循環式浴槽や、銭湯、旅館など公衆浴場の水を対象に検査を行うことにした。検査の対象施設や費用負担などについては本年度中に方針を固め、検査機器も購入する。 同試験所の日田昇一所長は「体の弱い老人など、感染、発症しやすい人が集まる施設を重点的に検査し、未然防止に役立てたい」と話している。