2015.12.11
- レジオネラ文献
生きたレジオネラ菌の迅速遺伝子検査法の作成
- 著者
- 林将大、大楠清文、江崎孝行
岐阜大学医学系研究科病原体制御分野 - 出典
- 感染症学雑誌第82巻6号
目的
RT-PCR法で生死を判定する遺伝子検査法の確立方法
BCYE brothに懸濁培養。培養に当り0時間の培養液を保存、一定時間培養後に培養液を採取し、煮沸後一部をRT-PCR法に使用。RT反応は41Cで15分行い、その液の反応液の一部をRealtime PCR法に使用し、増幅産物のCt ValueとTmを測定。Legionella pneumophila検出にはdnaj primerを、Legionella spp.検出には16S rDNA primerを使用した。結果と考察: 2時間の培養後にRT-PCR法を実施すると0時間との増幅の違いが明確になりレジオネラ菌の生菌が確認できた。PCR法単独では十分な違いが出せず、RT-PCR法との感度の違いが明らかになった。生菌の遺伝子検査法の特色は生きた病原体の陽性結果が短時間で得られた時、直ちに薬剤感受性の遺伝子検査に移行できることである。抗菌剤の入った培地での発育を迅速にRT-`PCR法で測定し、菌の検出、同時に薬剤感受性を測定することができる。しかし、薬剤耐性はLegionellaより、MycobacteriumやMycoplasmaでより感受性測定が有用であることを併せて報告する。