Case 特殊化学洗浄導入事例

想定の7-8倍の急成長を遂げた
アクアスの特殊化学洗浄を支えるチーム力

突然の水処理設備トラブルにも対応できる化学洗浄。お客様への分かりやすい説明も評価され
急成長を遂げた新事業の背景には、豊富な経験に裏付けられた熟練の技術があった。

“手間を惜しまず、お客様一人ひとりに
誰にでもわかる「イラスト」で説明”

「アクアスの特殊化学洗浄が専門チームとして発足したのは2020年、設備の汚れによる熱効率低下、流量低下による設備に支障が起きた事からの相談によるものです。従来お客様はアクアスの得意とする供給水処理から熱源機器の水質管理、排水処理に至るまで総合水処理会社として認知していただきましたが、各熱源機器の特殊化学洗浄による機器延命については依頼する企業が少なく困り果てていました。

そこで、今まで培ったノウハウを集結し特殊化学洗浄専門チームを旗揚げする事になりました」通常、水処理設備は10-15年の耐用年数で、年数を追うごとに汚れ(スケール)や腐食が進行し、エネルギーロスや故障などが生じてくる。こうした経年変化は、ボイラーであれば熱交換器に汚れが付着し効率を下げ、ランニングコストの増大につながってしまう。耐用年数を目安に新しい設備に交換できれば良いが、莫大な費用と生産を止める損失があるため、事前に大掛かりな計画を立てなければならないのがネックだ。これに対して、突然の設備トラブルによる生産停止リスクに対応できるのが特殊化学洗浄なのだ。
 アクアスでは水質分析をベースに特殊化学洗浄の提案を行っているが、「化学洗浄概要図」と呼ばれるイラストを見積りと共に提出する。これは他社ではあまり聞かないサービスだ。「今回の設備トラブルは、何が原因で、どういった薬品をどれだけ使用する必要があるのか。また、どの段階で使用するのかが、誰にでもわかるようにイラストで説明しています」と、化学洗浄事業を率いる川部は語る。このひと手間を惜しまないことで、値段だけでなく期待される効果で選ばれているのだという。

“化学洗浄チームは、
自社の研究所とタッグを組んで
水質分析から洗浄工事までスムーズに連携”

 2018年の夏、台風によって大型のボイラーに海水が流れ込んでしまった工場から緊急を要する連絡が入った。内部に硬質スケールが付着しボイラーが暴走運転した、危険の伴う現場だ。お客様はアクアス以外にも相談したが、他社からはボイラー本体の交換を前提とした解決方法を提案されたという。しかし交換工事は工場にとって現実的な選択肢ではなかった。

生産は止められても1週間。短期工程での問題解決に、アクアスの化学洗浄チームが立ち上がった。
 つくば総合研究所で詳しく水質分析にかけると汚れの性質が硫酸カルシウム(一般的なスケールの中でもっとも固いもの)であることがわかった。そして、成分に合わせた独自の洗浄レシピをつくり、工事がスタート。工場の従業員総出で、時には夜間工事を行いながら急ピッチで作業は進められた。「短期工程で洗浄を行うことができたのは、水質分析から水質管理までトータルでご提供できるからです。突然の設備トラブルにもスピード感を持って対応できました。」
 そして、7日間の工程で無事に復旧することができた。化学洗浄は、今まさに困っている問題を解決する対応力が求められるソリューションだ。だからこそ、水質分析からトータルで提案できるアクアスの特徴が活きている。

“熟練のノウハウが詰まった洗浄レシピと
それを実践するアクアスの技術の蓄積”

 現在は業務のDX化に伴い、リモートで現場調査・洗浄対応を進めるケースも増えてきた。それが実現できるのは、全国に洗浄専門のアクアスの協力工事会社網が確立されていることが背景にある。関東某所の清掃工場では、ごみ焼却の熱を利用した熱回収を行うタービンの化学洗浄を行い、発電効率を10-15%回復させることに成功した。

こうした同様の機構を持つ施設は各地にあり、洗浄効果のデータを集めて水平展開できることも全国展開のメリットになっている。
 特殊化学洗浄はたとえるなら、料理に近いのだという。「レシピに書かれた具材と調味料を用意しても、プロの料理人がつくる一皿とは雲泥の差が生まれますよね。これは調味料の加減、火入れのタイミングなど熟練のノウハウが詰まっているからです。特殊化学洗浄も同様で、仮にレシピを盗まれても同じレベルの洗浄ができるものではありません。」こうした洗浄レシピには書かれないノウハウのデータベース化が進めば、技術の蓄積がさらなる発展・拡大の基礎となっていく。
 まだまだ立ち上げたばかりの「特殊化学洗浄」事業だが、当初想定の7-8倍の急成長を遂げている。「仕事が増えていくと大きな仕事に優先順位を置きがちですが、我々は忖度しない仕事の受け方を守っていきたい。お客様にとって、トラブルは金額で図れないものですから、すべての仕事に全力で取り組んでいきます」と、事業開発担当の齋藤。
化学洗浄は、ノウハウの積み重ね。お客様にとってはかり知れないメリットのある、費用対効果が非常に高い水処理技術だ。お客様に寄り添う対応を心掛けながら洗浄技術を磨き、これからのさらなる躍進を目指していく。