記事掲載日:2002年12月15日
- レジオネラニュース
*広がるレジオネラ菌どう防ぐ思いがけない場所で…
2002/11/15の信濃毎日新聞朝刊によると、レジオネラ菌は、循環式浴槽やエアコンの冷却塔、非加熱式加湿器など、人工の環境で繁殖、飛散しやすいが、思いがけない場所での感染が報告されている。慶応大病院(東京都新宿区)で1996年、新生児3人がレジオネラ症になり、うち1人が肺炎で死亡した。給湯設備で繁殖したとみられている。今年10月の日本救急医学会では、川でおぼれた男性が肺炎になり、肺の洗浄液と川の水から菌が検出されたと、岩手医大高次救急センターが発表した。工事現場の砂じんで感染した事例もあり、欧米では普通の生活をしている人にみられる「市中肺炎」のうち、レジオネラ肺炎が2〜8%を占めているという。 家庭用の24時間風呂は1984年に販売が始まり、今年3月末で約150万台が設置されている。汚れの除去や有機物の分解には、セラミックス系ろ材や繊維状のフィルター、微生物などを利用する。メーカー15社でつくる「24時間風呂協議会」によると、最近はレジオネラ菌が死滅する70度以上に加熱する熱殺菌装置を備えた製品が増えているという。96年に当時の通産省が24時間風呂の製造業者に安全衛生対策を指導し、翌年、メーカーの一部が販売を一時中止したこともあった。同協議会は98年から、自主的な水質基準に適合している商品に「自主規格適合マーク」を導入。「フィルターや殺菌装置の洗浄、水換えなどを、使用説明書通りに確実に行ってほしい」と呼び掛けている。