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レジオネラ対策立ち入り検査など(検証緊縮県予算:3)/宮崎
2003/02/11の朝日新聞朝刊によると、2002年7月、レジオネラ菌の集団感染が発生した日向市の第3セクター「日向サンパーク温泉」の営業停止期間が、まもなく200日を迎える宮崎県では、レジオネラ対策の新規事業として、単独で423万円を計上した。入浴施設の管理者や保健所職員を対象とした講習会を開き、自主的に水質検査をしない施設があれば県が立ち入り検査するという内容だ。 宮崎市大淀河畔温泉協同組合の小金丸修理事長(62)は「衛生管理を業者任せにしている施設管理者もいる。注意喚起の上で、講習会の開催は意味がある」と評価する。 公衆浴場法と旅館業法の施行条例も改正する。浴槽の清掃、消毒、定期的な水質検査などを義務づけるほか、県独自の規制として、開業後1ケ月以内に3回以上検査することを義務化する。県衛生管理課の弓削洋一・課長補佐は「対策は十分」としている。 しかし、課題は残る。 日向市の集団感染で亡くなったのは80代1人、70代2人、60代4人と中高年層が多い。しかし事業や条例の対象は事実上、業としての施設に限られ、福祉施設の浴場などは含まない。感染防止策として万全とは言い難い。厚生労働省が昨年10月に示した条例改正の指針でも「業務施設以外も含めた、包括的なレジオネラ症防止対策に関する条例制定も妨げない」とある。 これについて弓削補佐は「(社会福祉など)施設の所管課とはヨコの連絡を取り合っている」と説明する。県高齢者対策課も「高齢者施設にもレジオネラ症防止対策マニュアルを配布し、適切な衛生管理をするよう注意喚起している」と述べるにとどまる。 また、施設にとっては水質検査にかかる金銭的な負担が大きいという指摘もある。小金丸理事長によると、定期的な検査の必要性は理解していても、1サンプル1万数千円前後という検査料に二の足を踏む施設管理者もいるという。多種類の循環系統を備える施設は、検査料だけで数万円になる。