2015.12.11
- レジオネラ文献
TRC法を原理とするレジオネラ属菌16S rRNA検出試薬の開発
- 著者
- 宇根蔵人1、橋本洋一2、岡元満3、斎藤寿一1、林俊典1
東ソー株式会社バイオサイエンス事業部1、株式会社インテックシステム研究所バイオ事業部2、財団法人東京顕微鏡院・食と環境の科学センター3 - 出典
- 日本細菌学雑誌第64巻第1号
目的
レジオネラ肺炎感染予防には定期的な環境水のレジオネラ検査が必要であるが、一般的に使用される培養法は結果を得る迄に7〜10日を要し、感度も十分ではないことから、迅速且つ高感度な検査が可能な遺伝子検査試薬を開発した。
方法と成績
開発した試薬(TRC法を測定原理とし、レジオネラ属菌16S rRNAを標的とした遺伝子検査試薬)を入浴施設などから採取した環境水156検体についてLAMPキットと比較した結果、レジオネラ属菌7菌種の検出感度は1〜51CFU/assayで、LAMPキットと比較して7菌種中6菌種で高感度、1菌種で同等であった。環境水でも検出率79%で、LAMPキットの68%を上回った。この内、LAMPキットで陰性、本試薬で陽性の25検体を配列解析したところ、24検体でL.parisiensisを含む幅広いレジオネラ属菌を確認できた。
結論
本試薬はレジオネラ属菌を高感度かつ幅広い種を検出可能であり、レジオネラ症の感染予防に寄与すると考える。