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2015.12.11
  • レジオネラ文献

Legionella anisaの同定法の比較検討

著者
倉文明(1)、前川順子(1)、鈴木敦子(2)、市瀬正之(2)、遠藤卓郎(3)、渡邉治雄(1)
国立感染症研究所細菌第一部(1)、東京都予防医学協会(2)、国立感染症研究所寄生動物部(3)
出典
第82回日本感染症学会総会学術講演抄録

目的
L. anisaの同定はこれまで日本ではDNA-DNAハイブリダイゼーション(DDHレジオネラ極東)で行われてきたが、今回他の方法と比較した。

方法
異なる施設由来の環境分離株43株(冷却塔水由来40、湯口水由来2、浴槽水由来1)及び基準株ATCC35292を用いた。これらは青白自発蛍光を有しDNA -DNAハイブリダイゼーションでL. anisa株と同定された。これらの株について①L. anisaの特異的同定のためのラテックス粒子凝集試験キット(スライデックスレジオネラキット、日本ビオメニュー)②種の同定のための16SrRNA遺伝子の塩基配列決定(500bp)を行った。

結果
1. 16SrRNA遺伝子の塩基配列決定によりL. anisaは基準株と同配列の型と1塩基欠失ヘテロ型の2型に分類され、環境分離株43株中、72.1%が1塩基欠失ヘテロ型であった。
2.ラテックス凝集試験では陰性の株が見られ、現在までのところ感度は69%であった。

考察
16SrRNA遺伝子の塩基配列決定によりL. anisa株をすべて同定することができた。一方、フランスで開発されたラテックス凝集試験では偽陰性が見られ、日本の分離株の検査法としては十分ではなかった。