2015.12.11
- レジオネラ文献
A/Jマウス骨髄由来マクロファージを用いたレジオネラ感染病態の解析:IFN-γ、IL-12/IL-18の役割
- 著者
- 吉澤定子、館田一博、奈良千春、前田恒春、松本哲哉、山口恵三
東邦大学医学部微生物学講座 - 出典
- 感染症学雑誌第77巻第10号
目的
マクロファージ内で本菌の増殖を許すA/Jマウスを用いてin vivro骨髄マクロファージ培養系を作成し、レジオネラ感染病態におけるIFN-γ、IL-12/IL-18の役割について検討した。
結果
IFN-γによる抗菌効果が確認されるとともに、IL-12+IL-18投与でも有意な増菌抑制がみられ、その効果はマクロファージからのIFN-γの産生に伴っていた。一方、IFN-γの産生はレジオネラ感染のみでは見られず、IL-12/IL-18を加えることで認められたが、これに死菌を添加したところIFN-γの産生低下と相関して菌数の有意な増加が認められた。
考案
IL-12/IL-18投与により、強いレジオネラ増殖抑制効果が観察され、その機序として内因性IFN-γの産生誘導が関与しているものと考えられた。また、死菌成分の存在が増殖を助長しているものと考えられ、その機序としてはIL-10産生誘導に伴うIFN-γの産生抑制が関与しているものと考えられた。