2015.12.11
- レジオネラ文献
院内発症Legionella .pneumophila肺炎についてのDiversiLabを用いた疫学的検討
- 著者
- 阿部泰尚1、吉田弘明1、大路剛1.2、山下和彦1、八幡眞理子1、李宗子1、直本拓己1、木下承皓1、岩田健太郎2、荒川創一1
神戸大学医学部付属病院感染制御部1、神戸大学医学部付属病院感染症内科2 - 出典
- 第85回日本感染症学会総会学術講演抄録
目的
入院3ヶ月経過の患者がL..pneumophilaによる肺炎を発症。院内環境からの感染が示唆されることから環境調査を行った。
方法
当該病棟シャワー室、空調、患者周囲の環境表面、及び貯水槽やクーリングタワーから検体を採取し、検出されたL..pneumophilaについては、DiversiLabにて遺伝子のタイピングを行い、遺伝子の相同性について検討した。
結果
シャワーヘッドとクーリングタワーの一部の検体からL.pneumophilaが検出され、患者由来株とクーリングタワーの株で高い遺伝子相同性がみられた。考察:患者からの菌株と、患者入院病棟に隣接する研究棟のクーリングタワーから検出された菌株間で高い相同性が証明された。しかし、伝播経路は必ずしも明確ではなく、より頻繁なクーリングタワーの調査が必要と考えられる。