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2015.12.11
  • レジオネラ文献

若年群に発症したレジオネラ肺炎47例の検討

著者
琉球大学医学部第1内科
健山正男、新垣紀子、小出道夫、當山真人、新里敬、比嘉太、斎藤厚
出典
感染症学雑誌Vol.76臨時増刊号March 2002.第76回日本感染症学会総会学術講演抄録P.107

通常の細菌性肺炎は生理的感染防御能が低下した60歳以上から多く認められるが、レジオネラ肺炎は40代より患者数の増加が認められ好発年齢のピークも10歳以上若いとされる。そこで、通常の細菌性肺炎のハイリスクグループに属さない年代群において、レジオネラ肺炎に罹患した患者にはどのような患者背景が存在するか検討した。対象は、1987年〜2002年までの期間に当科でレジオネラ肺炎と診断した112例中、発症時60歳未満であった47例を対象とした。危険因子はこれまでの報告から旅行歴(温泉地を含む)、臓器移植、免疫抑制剤、放射線療法、ステロイド、透析患者、器質性心疾患、慢性呼吸器疾患、腎疾患、糖尿病、大酒家、重喫煙とした。性別比男性35例女性12例、年代29歳以下3例、30代6例、40代16例、50代22例。危険因子の有無有り34例、無し10例、不明3名。基礎疾患の有無有り25名、無し20名、不明9名。予後、治療34名(87.1%)死亡5名(12.9%)。危険因子の種類としては重喫煙者11例が最も多く旅行歴のあるものが9例でそのうち温泉地への旅行が6例であった免疫抑制剤使用が9例、大酒家9例などが認められた。この事より、60歳未満で発症した群は、基礎疾患の保有率は低いものの基礎疾患を有する場合は免疫抑制剤を使用するなどその重篤度は高いものが多かった。一方危険因子の保有率は高く、本症に特徴的である旅行歴がその他の危険因子と並んで上位を占めたと報告している。