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News お知らせ

2022.10.6
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第10回国際レジオネラ会議に参加しました。

2022年9月20日~24日はまぎんホールで国際レジオネラ会議が開催されました。弊社からは井上、縣が発表を行いました。また、抄録には広告協賛もいたしました。

<国際レジオネラ会議とは?>

4年に1度開催される、レジオネラをテーマにする学術会議です。疫学や細菌学、臨床(診断、治療、感染対策)などを専門とする研究者が世界各国から集まります。第10回となる今回は日本での開催となり、オンサイトとオンラインでのハイブリッド形式で行われました。

 

<アクアスの発表内容>

アクアス株式会社 つくば総合研究所 井上浩章が「Consideration of the difference in results of PCR and Plate Culture method for detecting Legionella(遺伝子検査(PCR法)と培養法における結果の差異についての検討)」について発表をおこないました。また、「Efficacy of ethambutol as a selective agent for detecting Legionella in environmental water samples(環境水のレジオネラ検査においてエタンブトールを選択剤とすることの有効性)」について、ポスター発表を行いました。

要約

遺伝子検査でのレジオネラ属菌陽性率は72%、培養検査でのレジオネラ属菌検出率は34%と、レジオネラ属菌が検出される割合が異なっている。培養検査が培地に発育する生菌を検出するのに対し、遺伝子検査は生菌、死菌の区別なく遺伝子を検出するためである。但し、生きているがコロニーを形成しない状態のレジオネラ属菌の存在により、培養検査では検出しないが、遺伝子検査では陽性となる事例もある。
遺伝子検査(PCR法)と培養法はそれぞれの特性から単純に比較できるものではなく、適切に使い分けることが必要である。

 

アクアス株式会社 顧問 縣邦雄が「Legionella control methods in various water systems in Japan(日本における各種水系のレジオネラ対策)」について発表をおこないました。

要約

日本におけるレジオネラ症の感染源は浴槽水が多く報告されている。2000年代初期の入浴施設でのレジオネラ症集団感染事例から、レジオネラ属菌抑制対策が強められた。不検出の状態を保つため、日常管理の徹底が必要である。
海外では冷却水からの感染事例が多いが、日本では少ない。冷却水の管理では、抗レジオネラ用空調水処理剤協議会が定める基準に適合した薬品が公表されており、このような活動は日本における冷却水のレジオネラ属菌対策に寄与している。
給水給湯系からの検出も増加してきており、シャワーや混合水栓からの検出事例がある。給湯は60℃以上の維持(末端、戻り配管で55℃以上)、給水は各種水槽への薬注で遊離残留塩素を維持して消毒をするなど対策が必要である。また、混合部のレジオネラ汚染には特に注意が必要であり、定期的な清掃消毒を行う。