2015.12.11
- レジオネラ文献
温泉浴槽内溺水後の肺炎患者から検出されたLegionella pneumophila SG3について
- 著者
- 塩田量子、武下公子、山本公三、今田和子、薮内英子、王笠
- 出典
- 感染症雑誌69:1356-1364.1995.
温泉浴槽内で溺水後にARDSを伴って重症肺炎を発症した71歳女性の気管吸引物からLegionella pneumophila SG3を検出し起炎菌と判定した。患者ペア血清の抗体価はL.pneumophila SG3のパイロット株と患者由来株Y-1の双方に対して上昇し、seroconversionと認めた。後日、同じ浴槽の温泉水からL.pneumophila SG3を検出したので浴槽水を感染源と判定した。浴槽水中の菌数は3CFU/100mlと少なく、通常は問題にならない菌数であるが、溺水による浴槽水吸引が感染を導いたと推定される。