Legionella Literature search レジオネラ文献検索

2016.2.29
  • レジオネラ文献

循環式浴槽水のモノクロラミン消毒による長期間にわたるレジオネラ属菌の制御

著者
杉山寛治1、長岡宏美2、片山富士男3、和田裕久4、榎原広里4、市村祐二5、青木信和5、江口大介5、神野透人6、小坂浩司7、泉山信司8、八木田健司8、縣邦雄9、田中慶郎1、倉文明10
(株)マルマ・研開1、静岡県環衛科研2、、静岡市保健所3、、静岡市環保研・微生4、ケイ・アイ化成(株)・機能性薬品5、、国立衛研・生活衛生化学6、、国立保健医療科学院・ 生活環境研7、、国立感染研・寄生動物8、、アクアス(株)・つくば総研9、、国立感染研10
出典
日本防菌防黴学会第42回年次大会要旨集 (2015)

泉質の異なる温泉水を用いた2カ所(静岡市と浜松市の施設)の循環式の入浴施設に、モノクロラミンのタイマー注入装置を設置し、アンモニウム源として従来の塩化アンモニウムより入手しやすい硫酸アンモニウムを使用し、また塩素剤とアンモニウムのモル比を従来の1:2.5から1:1.5に低減した長期運用試験を行った。
静岡市の施設は1日の平均利用者が319人の循環式露天風呂で泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉。試験期間は3ヵ月間で期間中6回採水、検査に供した。浜松市の施設は1日の平均利用者が554人の循環式室内風呂でナトリウム-カルシウム塩化物泉。試験期間は5ヵ月で期間中8回採水した。また週に1回完全換水とろ過器を含む循環配管内の高濃度モノクロラミン洗浄または過酸化水素洗浄を実施した。
運用試験の結果、両施設とも目標濃度を概ね維持できた。従来の遊離塩素消毒では利用者数や追加湯量の影響により濃度管理が困難であったが、モノクロラミンは安定維持が可能であった。微生物検査ではレジオネラ属菌は不検出、消毒副生成物の発生も少なかった。アンモニウム源として硫酸アンモニウムが使用可能で、モル比を低減でき、薬剤コストの削減も得られた。