2018.2.26
- レジオネラ文献
当院でのレジオネラ肺炎の検討
- 著者
- 布川寛樹、井上真奈美、大熊康介
小川ゆかり、渡邊崇靖、田村仁樹
皿谷健、滝澤始
杏林大学医学部付属病院第一内科 - 出典
- 感染症学雑誌 vol.91 No.5(2017)
レジオネラ肺炎は重症化しやすいが、軽症例のレジオネラ肺炎の診断はしばしば困難である。軽症例(ADROP 0点 or 1)点と中等症-重症(ADROP2点以上)の比較検討を行う。2001年から2016年11月まで当院でレジオネラ肺炎と診断された24症例を後視方的に検討した。軽症群(ADROP0/1、n=8)は中等症〜重症群(ADROP2/3/4/5、n=8)と比して有意に入院時の血中Naが低値で(mean±SD、134.3±1.5 vs 138.6±4.7 meq/L)(p=0.02)あり、体温は前者でより高い傾向を認めた。レジオネラ肺炎は、他の病原菌による市中肺炎に比して低Na血症を合併しやすく、ADAやCT-ProVasopressionの関与が指摘されているがその正確な機序は不明である。しかし、本研究では軽症例でより高度の低Na血症/体温の上昇が出現する可能性を示した。