2015.12.11
- レジオネラ文献
庭土が感染源と疑われたLegionella longbeachaeによる重症肺炎の1例
- 著者
- 江藤正明1)、三木寛二1)、久保田未央2)、田中忍3)、黒川学3)、貫名正文3)
1)神戸市立中央市民病院臨床検査技術部、2)神戸市立中央市民病院呼吸器内科、3)神戸市環境保健研究所微生物部 - 出典
- 感染症学雑誌第79巻臨時増刊号
目的
今回、庭土が感染源と疑われたレジオネラ肺炎を経験したので報告する。症例・72歳男性・主訴:慢性腎不全透析導入目的で某病院に入院。この時、発熱は認めるが胸部X線は異常なし・生活歴:趣味は園芸、入院1週間前にも土いじりをしていた・
経過
入院より4日後右下肺野に湿潤影出現、炎症反応の上昇を認め、MEPM等の抗生剤投与をされるが、呼吸状態が悪化し、人工呼吸器管理となり、当院に入院となった。結果レジオネラ尿中抗原は陰性であったが、入院時の喀痰培養により、レジオネラ菌が検出されたため、MEPMを中止し、CPFX、EMに変更。その後、経過良好で退院した。患者が園芸が趣味であることから自宅の庭土と肥料を検索したところ、庭土からL.pneumophilaが分離された。現在、パルスフィールドゲル電気泳動による遺伝子レベルの総銅性を検討中である。