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2015.12.11
  • レジオネラ文献

宮崎県H市温泉事故によるレジオネラ症集団感染の臨床的検討

著者
佐々木隆1)、岡山昭彦1)、松元信弘2)、鈴木泉2)、河野喜美子3)、坪内博仁1)
1)宮崎大学医学部第2内科、2)済生会日向病院内科、3)宮崎県衛生環境研究所
出典
感染症学雑誌第78巻第4号

目的
2002年に宮崎県の温泉施設で発生したレジオネラ集団感染肺炎症例の臨床像を明らかにする。

対象
宮崎県に届出あった症例295名(疑いも含む)のうち、研究協力の同意が有り、医師による調査票(症状、検査、治療、転帰)、胸部画像の評価が可能であった症例142名

結果
・比較的高齢の男性、また喫煙歴および基礎疾患をもった患者に多く、画像上肺炎所見を認めた。
・発熱、著名なCRP高値はほぼ全員に認められ、肝障害、低Na血症は約半数に認められた。
・呼吸器症状は43%・精神神経症状、消化器症状は20〜35%
・胸部画像所見では2つ以上の肺葉に陰影がでたのは90%考察:レジオネラ肺炎の診断は臨床像からは困難であり、市中肺炎診療時には本症を念頭において2週間以内の温泉施設利用についての病歴聴取を行い、細胞内寄生菌にも有効な薬剤の投与、併用を考慮することが必要であると考える。