2016.2.25
- レジオネラ文献
レジオネラ菌は小胞体内での移行にRab4及びRab10を利用する
- 著者
- 加藤郁子、川端美緒、新崎恒平、多賀谷光男、
東京薬大・生命 - 出典
- 日本細菌学雑誌 Vol.70, No.1 (2015)
レジオネラ菌は、宿主細胞内の膜輸送および膜融合機構を操作することで宿主内での生育及び増殖を可能としている。また、この操作の過程においてレジオネラ菌から宿主細胞に放出されるレジオネラエフェクターが必須の役割を果たしている。これまでの研究により、レジオネラエフェクターであるLidAと宿主細胞内に存在する低分子量GTP結合タンパク質であるRab4及びRab10との結合を見いだした。レジオネラ菌感染が小胞体においてこれらRabタンパク質を利用しているのかは明らかになっていない。
本研究ではレジオネラ菌が小胞体との融合過程において、滑面小胞体より小胞体内に侵入した後、粗面小胞体へと移行することを明らかにした。また、Rab10の発現抑制でレジオネラ菌と滑面小胞体との融合が阻害され、Rab4の発現抑制で粗面小胞体への移行が阻害されていることを見いだした。さらに、Rab10及びRab4はそれぞれ滑面小胞体、粗面小胞体形態維持タンパク質と結合することを明らかにした。