2015.12.11
- その他
レジオネラ肺炎は増えているか?
- 著者
- 西山明宏、石田直、橋本徹、有田真知子、橘洋正、吉岡弘鎮、生方智、野山麻紀、林秀敏、山本正樹、横山俊秀、岩破将博、三枝美香、福山一、仲川宏昭、伊賀知也、國政啓
倉敷中央病院呼吸器内科 - 出典
- 第83回日本感染症学会総会学術講演抄録(感染症学雑誌第83巻)
目的と方法
尿中抗原迅速キットの普及や感染症新法第4類の全数把握疾患に指定され全国的な調査監視が行われるようになりレジオネラ症の届出数が増加してきている。欧米においてもレジオネラ症の発症は増加の一途で、気温、平均降水量、湿度、季節との関連性の調査報告がなされている。そこで発生頻度の変化について検討するため当院の年度別のレジオネラ症症例を抽出し、最近の臨床増を検討した。
結果と考察
2001から2004年は発生数3件肺炎入院患者の2.2%、2004年5例3.3%、2008年は9月までで7例、4%を超えている。菌を検出した5例中3例がL.pneumophilla SG1、2例が同SG3であった。肺炎像を呈していない症例患者からも菌が検出された。検査の普及等によりレジオネラ症の検出頻度が上昇している可能性もあるが、欧米のように発症例自体が増加していることも考慮され、また軽症例も散発しており、降水量や天候との関連についても今後検討する。