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2015.12.11
  • その他

レジオネラ感染のヒト肺胞上皮II型細胞に対するサイトカインの発現・分泌への誘導作用

著者
感染症学研究所・細菌第一
常彬、倉文明、前川純子、渡辺治雄
出典
日本細菌学雑誌 第59巻第1号 平成16年

目的
レジオネラはマクロファージ内で増殖し、肺炎を引き起こすことが良く知られているが、呼吸器上皮細胞に対する反応については未知の部分が多い。我々はこれまでL.pneumophilaのヒト肺胞上皮II型細胞への接着について研究し、本菌がインテグリン様接着因子を保有していることを発表してきた。今回はレジオネラ感染の肺胞上皮細胞に対するサイトカイン発現および分泌の誘導作用について報告する。

結果と考察
レジオネラがヒト肺胞上皮II型細胞に感染するとIL-6、IL-8およびTNF-αの発現および分泌の増加が見られれ、この増加は感染時間および感染菌数に依存的であることが明らかになった。しかし、IL-1βおよびIFN-γの発現と分泌には変化が見られなかった。今後、このサイトカイン誘導因子を明らかにするために80-045株の弱毒株および死菌を使って、サイトカインの発現と分泌への影響を調べる予定である。