2015.12.11
- レジオネラ文献
わが国におけるLegionella臨床分離株の薬剤感受性の検討
- 著者
- 村上日奈子1)、松本哲哉1)2)、小林隆夫2)、磯貝健次2)、樫谷総子1)、古谷信彦1)2)、舘田一博1)2)、山口惠三1)2)
1.東邦大学医学部付属大森病院臨床検査部、2.東邦大学医学部微生物学講座 - 出典
- 感染症学誌第75巻第1号P.1〜6 2001
日本で1994年9月から1999年11月までにレジオネラ肺炎患者から分離されたレジオネラの臨床分離株23株を対象に、Etestを用いて薬剤感受性の検討を行った。マクロライド、キノロン、リファンピシンなどの薬剤はMICが全て≦1μg/mLの良好な抗菌活性を示し、中でもリファンピシンはMICが≦0.064μg/mLと最も高い抗菌活性を認めた。ミノサイクリンはMICが0.5?2μg/mLとレジオネラ症に有効とされる薬剤のなかでは比較的高い分布を示した。β-lactam系抗菌薬はレジオネラ症に無効とされるが、in vitroにおいてはセフタジジムとイミペネムのMICは全株≦0.125μg/mLの高い抗菌活性を示した。MICレンジの比較では、わが国の分離株は諸外国の報告とほぼ同等の感受性結果を示した。今回の検討において耐性株は検出されなかったが、今後の薬剤感受性の推移に注意を払う必要があると思われた。