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2025.11.26
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黒湯(腐植質含有温泉)からのLegionella属菌の分離

著者
安齋博文,石﨑直人,李 新一,古畑勝則(麻布大学)
出典
日本防菌防黴学会誌,Vol.45,No.12,pp.595−600(2017)

関東地域の入浴施設(51施設)から採取した70試料,および北海道の入浴施設(9施設)から採取した16試料の計86試料の黒湯について試験したところ,86試料中11試料(12.8%)からLegionella属菌が分離された。地域別に見ると,関東では70試料中6試料(8.6%)であったが,北海道では16試料中5試料(31.3%)と高率であり,有意差が認められた(p<0.05)。Legionella属菌が分離された11試料における黒湯100mL当たりのLegionella属菌数は,1.0×101 CFUから最高1.0×103 CFUであり,102 CFU未満が6試料(54.5%)と最も多かった。分離されたLegionella属菌15株のうち,L. pneumophilaが86.7%(13株)を占め,優占種であり,血清群別においては,3群が4株(26.7%)と最も多かった。一方,パルサー法によるLegionella属菌の検出では,全体で81試料(94.2%)から検出され,地域別の検出率に顕著な差は認められなかった。培養法との比較では,培養法陽性の11試料は,パルサー法においても全て陽性であった。また,培養法陰性の75試料のうち,パルサー法で陰性の試料はわずか5試料であり,残り70試料はパルサー法で陽性であったことから,両試験法の一致率は18.6%であった。