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2015.12.11
  • レジオネラ文献

西.マルチプレックス・リアルタイムPCR法により診断しえた重症レジオネラ肺炎の1例

著者
久保亨12、森田公一2、江原尚美1、松竹豊司1、河野茂3、齋藤厚4、福島喜代康1
1.日本赤十字社長崎原爆諫早病院、2.長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学分野、3.長崎大学第二内科、4.佐世保同仁会病院
出典
第55回日本感染症学会中日本地方会学術集会
第82回日本感染症学会西日本地方会学術集会後抄録

マルチプレックス・リアルタイムPCR法により診断しえたLegionella anisaによる重症肺炎例を経験したので報告する。

症例
65歳男性。2年前に胸腔胸下左上葉切除術を受けUFT内服治療を行った。発熱で近医受診、急性肺障害と診断。肺水腫による呼吸状態悪化。改善なく重症肺炎、呼吸不全にて日赤長崎原爆諫早病院へ転院。転院後の検査で喀痰細菌培養陰性、尿中レジオネラ抗原陰性、喀痰レジオネラLAMP法陰性であったが、23種の呼吸器ウイルス・細菌に対するマルチプレックス・リアルタイムPCR法で検査した結果、喀痰がpan-legionella陽性となった。L.pneumophilaに対するPCR法では増幅が見られなかった。そこで、レジオネラ属の16s ribosomalRNA領域に対するプライマーをデザインし、増幅産物をシーケンシング解析したところL.anisaが起因菌と判明した。抗生剤投与にて喀痰中のレジオネラDNAは陰性化するも肺炎コントロール不良、心不全増悪、DIC併発にて死亡。

考察
マルチプレックス・リアルタイムPCR法は重症肺炎診断に極めて有用な方法であると考えられる。