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2025.11.27
  • レジオネラ文献

建築物の空気関連の微生物汚染と対策等[9]
蓄熱槽における微生物汚染と抑制対策

著者
赤井仁志(福島大学 共生システム理工学類)
出典
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.11,pp.601−607(2020)

蓄熱槽の調査で,システム基準で30システム中,14システム(46.7%)から培養法でレジオネラを検出した調査事例がある。また,他の水蓄熱槽の調査で,蓄熱槽水の温度範囲が14.9℃以下と15.0℃~24.9℃でレジオネラの菌数が,35.0~44.9℃の菌数とほとんど変わりなかった。抗レジネオラ剤として,3.0~10.0 mg/ℓの濃度のチアゾリンを蓄熱槽水に投入した結果,投入から数日から数週間で蓄熱槽水と蓄熱槽壁面の拭き取り検体から,レジオネラが検出しなくなった。抗レジオネラ剤には鋼管や銅管を腐食させる成分が含まれることが多い。空調機や配管を損傷させるおそれがあるため,防錆剤を同時に投入することが必要である。