2015.12.11
- その他
Legionella pneumophila臨床分離株の遺伝子解析による分類
- 著者
- 前川純子・倉文明・大西真 国立感染症研究所細菌第一部
渡辺祐子 神奈川県衛生研究所微生物部
磯部順子 富山県衛生研究所細菌部
田中忍 神戸市環境保健研究所微生物部
中嶋洋 岡山県環境保健センター細菌科
吉野修司 宮崎県衛生環境研究所微生物部 - 出典
- 感染症学雑誌 第87巻臨時増刊号2013.5
方法
Legionella pneumophila臨床分離株263株についてSBT法により遺伝子型別を行った。
結果
型別できなかった10株を除く253株は128種類の遺伝子型に分けられた。感染源は43%が浴槽水、他に空調、加湿器、シャワーなどが推定・確定されているが、50%は不明である。また、血清群1の株を環境分離株の遺伝子型によるグループと対応させた結果、浴槽水分離株が多いグループに属する臨床分離株は浴槽水が感染源のものが多く、土壌分離株が多いグループに属するものは感染源不明のものが多く、土埃などからの感染や土壌が混入した水からの感染が考えられた。この他、グループUと名づけた新しいグループは感染源不明が多くまだ認識されていない感染源があることも示唆された。また、遺伝子型別により集団感染疑い事例を見出すこともできた。