2015.12.11
- その他
循環温泉水、冷却塔水および臨床由来の各Legionella pneumophila SG1のサブグループおよび病原性の相違
- 著者
- 大野章、嵯峨知生、山口惠三、館田一博 東邦大学医学部微生物・感染症学講座
加藤尚之 東邦大学医学部化学研究室 - 出典
- 第61回日本感染症学会東日本地方会学術集会・第59回日本化学療法学会東日本支部総会合同学会プログラム・抄録集
目的
Legionella pneumophila SG1はモノクロナール抗体反応性により10種のサブグループに分かれる。臨床分離SG1株ではmAb3/1陽性株が多く、環境分離SG1株では少ないとの報告がある。これは、環境中では少数で分布している臨床で有意なSG1株が、他と比べ感染能で何らかの有利因子をもつと考えるのが合理的である。本研究では臨床分離SG1株に特定のサブグループが集中する要因を検討する。
方法
患者由来SG1株50株、環境由来(循環式浴槽水および冷却塔水)SG1株60株を用いてその特徴を比較検討した。
結果と考察
臨床分離SG1株と環境分離SG1株では優位なサブグループが大きく異なること、病原因子の保有率が異なること、更に環境分離株でも温泉由来と冷却塔由来では異なることが示された。これらの相違が臨床分離SG1株に特定のサブグループが集中する要因になっている可能性が示された。今後更に、MLSTタイピング、マクロファージ、アメーバを用いた病原力等を調べ、検討を進める。