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2015.12.11
  • レジオネラ文献

早期のECMO導入にて救命し得た重症レジオネラ肺炎の一例

著者
加藤博史 東京都立多摩総合医療センター呼吸器科 東京都立駒込病院感染症科
村田研吾、岡本翔一、三倉真一郎、高森幹雄 東京都立多摩総合医療センター呼吸器科
出典
第61回日本感染症学会東日本地方会学術集会・第59回日本化学療法学会東日本支部総会合同学会プログラム・抄録集

目的
今回、ECMO(膜型人工肺)を使用し、救命し得た重症レジオネラ肺炎を経験したので報告する。

症例
54歳男性(生来健康、温泉歴なし)はレントゲンにて両側浸潤影、尿中抗原陽性でレジオネラ肺炎と診断され当院へ救急搬送された。著明な低酸素血症を認めたため気管挿管、人工呼吸管理とした。ICU入室後、レボフロキサシン、リファンピシンにて治療を開始し、第2病日にはFi021.0にPEEPを加えた呼吸管理をしたが、低酸素血症は改善しなかったため、V-V ECMOを導入した。導入後はFiO2を0.4程度に、一回換気量6ml/kg程度に制限し、高いPEEP圧をかけ、肺保護を管理した結果、血中酸素分圧は改善し、浸潤影も改善傾向にて第7病日にECMOを離脱した。同日、提出していた喀痰からもLegionella pneumophilaが培養され、診断を確定した。その後も徐々に改善し、第35病日に退院となった。

考察
通常の人工呼吸では管理できない可逆的な重症肺炎に対しては早期にECMOを導入し、肺保護を検討すべきと考える。