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2015.12.11
  • その他

レジオネラ肺炎モデルマウスにおけるIL-17の機能

著者
君塚善文(1.2、木村聡一郎(2、嵯峨知生(2、石井誠(1、長谷川直樹(3、舘田一博(2、山口惠三(2
慶應義塾大学医学部呼吸器内科(1、東邦大学医学部微生物感染症学講座(2、慶應義塾大学病院感染制御部(3
出典
感染症学雑誌2012.3 第86巻臨時増刊号

目的
感染症において宿主免疫応答に重要な役割を持つIL-17だが、その中心的な機能を持つIL-17A及び17Fの働きについて、レジオネラ肺炎モデルマウスを用いて検討した。

方法
モデルマウスを用いて、肺内のサイトカインの発現を解析した。また、気管支肺胞洗浄液中の白血球分画、肺内菌量を経時的に評価した。骨髄液誘導マクロファージ(BMDM)培養液中にIL-17A及び17Fを添加し、L.pneumophila感染により生じる炎症性サイトカイン量を測定した。IL-17A/17F欠損マウスを用いて、野生型マウスとの肺内サイトカインや感染後の生存率の差を検証した。

結果
モデルマウスでIL-17A及び17F産生を認めた。感染したBMDMの上清中にはIL-6などの産生が認められ、有意にサイトカインの産生量が増加していた。IL-17欠損マウスでは野生型と比較して、肺内のサイトカインの有意な低下、肺内菌数の低下、生存率の低下が観察されたほか、BAL液中の好中球分画の有意な減少を認め、好中球遊走性サイトカインの低下が観察された。

結論
モデルマウスにおいて、IL-17A及び17Fは宿主感染免疫に防御的に寄与していることが示唆された。