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2015.12.11
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浴槽水からのレジオネラの単離、および定量化における免疫磁気分離法の評価

著者
磯部順子1、中嶋洋3、渡辺祐子4、森本洋5、緒方喜久代6、常彬2、前川純子2、渡邉治雄2、倉文明2
富山衛研1、国立感染研細菌第一2、岡山県環境保健センター3、神奈川衛研4、北海道衛研5、大分県衛生環境研究センター6
出典
日本細菌学雑誌Vol.65No.1第83回日本細菌学会総会

目的
日本のレジオネラ症の殆どは浴槽水が原因と考えられている。浴槽水の濃縮は通常ろ過法で行われるが、環境微生物が多い検体の場合には分離、計数が困難な場合がある。そこで、従来法(ろ過法)と新規の免疫磁気分離法を比較検討した。

方法
種々の泉質の浴槽水等191検体について従来法と免疫磁気分離法の濃縮方法について比較検討した。浴槽水45mLに10X緩衝液5mLとビーズ0.15mLを加え1時間混合後、磁石でビーズを回収し、50mL1X緩衝液で1回洗浄してGVPC寒天培地に接種した。

結果
①免疫磁気分離法はろ過法に比べ、感度78.3%、特異性94.7%となった。
②7検体が免疫磁気分離法で検出、ろ過法非検出。13検体がろ過法で検出、免疫磁気分離法非検出。
③雑菌除去効果は免疫磁気分離法で濃縮した場合、従属栄養細菌は追加洗浄無しで92cfu/plateのところ追加洗浄2回で非検出になった。以上のことから免疫磁気分離法はろ過法とほぼ同じ検出結果であったが、レジオネラ属菌以外の微生物の多い検体ではより有効であると考えられる。