2015.12.11
- その他
レジオネラ感染に伴う肺胞上皮細胞障害の機序とその制御に関する検討
- 著者
- 古堅誠、比嘉太、日比谷健司、照屋宏充、赤嶺盛和、原永修作、屋良さとみ、小出道夫、健山正男、藤田次郎
琉球大学大学院医学研究科分子病態感染症学分野(第一内科) - 出典
- 第78回日本感染症学会西日本地方会学術集会後抄録(感染症学雑誌第83巻第3号)
レジオネラが肺胞上皮細胞へ感染し、細胞障害性を呈することが示唆されているがその気序は十分には解明されていない。レジオネラ感染により誘導される肺胞上皮細胞障害の機序やその制御についてin vitroで検討した。
方法
ヒトⅡ型肺胞上皮細胞(A549)にレジオネラを感染させ、TUNEL法による核DNA断片化の検出、各種caspase活性、上清中HMGB1値の測定を行った。レジオネラは野生株と細胞内増殖能に関与するdot/icm遺伝子の変異株を使用し比較した。また肺胞上皮細胞障害制御について、methylprednisolone及び各種成長因子(HGF、KGF等)を検討した。
結果
変異株と比較して野生株では、TUNEL陽性細胞率、caspase3、8、9、1活性、上清中HMGB1値の有意な増加が認められた。またmethylprednisolone添加により野生株感染に伴う、TUNEL陽性細胞率の減少、caspase3、8、9、1活性と上清中HMGB1値の有意な低下が認められた。各成長因子添加の影響は認められていない。