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2015.12.11
  • レジオネラ文献

冷却塔水からのレジオネラ属菌の検出状況-2001年度から2006年度まで-

著者
鈴木敦子1)、前川純子2)、倉文明2)、常彬2)、泉山信司3)、市瀬正之1)、渡辺治雄2)、遠藤卓郎3)
1)東京都予防医学協会、2)国立感染症研究所細菌第一部、3)国立感染症研究所寄生動物部
出典
第81回日本感染症学会総会学術講演会後抄録

目的
冷却塔水のレジオネラ汚染については、縣らにより1987年から1992までに採取した検体の報告があるが、最近の大規模な調査報告はない。そこで、全国多数の冷却塔水からレジオネラ属菌を分離し、菌種・血清群を同定し、生息状況を評価した。

方法
2001年4月から2006年9月まで採取した4、363試料(毎年400試料以上)を対象とした。2001年、2002年はデンカ生研の10種の免疫血清で、2005年、2006年はデンカ生研の19種の免疫血清とレジオネラ・レファレンスセンターで作製した4種類の免疫血清を用いスライド凝集テストを行い、血清型別を行った。

まとめ
レジオネラ属菌検出率は、2001年度の45.9%から2006年度には26.1%まで低下していた。検出菌数は、2003年を境に100mLあたり103レベル以上の多数の菌が検出される検体の比率が減少していた。菌種及び血清型分布では、各年度を通じてL. pneumophila血清群1が多く分離されており、冷却塔水分離株中の約50%から60%を占めていた。また、2001年度、2002年度では型別不能株が3割近くを占めたが、2005年度、2006年度は、同定または型別が可能となり、その多くがL. pneumophila血清群7およびLegionella anisa であった。