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2015.12.11
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新規殺菌セラミックによるLegionella pneumophila殺菌効果に及ぼす温泉水泉質の影響

著者
笹原武志1)、奥田舜二2)、菊野理津子2)、佐藤義則1)、関口朋子1)、高山陽子3)、井上松久1)2)
1)北里大学医学部微生物・寄生虫学、2)北里環境科学センター、3)北里大学医学部第5内科学
出典
感染症学雑誌第79巻第3号

目的
新規殺菌セラミックによるL.pneumophila殺菌効果に及ぼす温泉水泉質の影響について検討した。方法泉質の異なる9種類(硫黄泉、炭酸水素塩泉Na型、塩化物泉、冷鉱泉、鉄泉、硫酸塩泉、単純温泉、塩化物強塩泉、放射能泉)の温泉水を用いて当該セラミックのL.pneumophilaに対する殺菌効果を検討した。

結果と考察
温泉水の泉質によって当該セラミックの殺菌効果が異なることが明らかとなった。即ち、処理24時間目においてkilling rateで単純温泉>硫黄泉>炭酸水素塩泉Na型であり、特に、塩化物強塩泉での生菌数は検出限界であった。一方、硫酸塩泉や冷鉱泉は僅かの生菌数の減少を認めるに過ぎなかった。このことから当該セラミックはわが国の温泉の9割を占める泉質(単純温泉、塩化物泉、硫黄泉、炭酸水素塩泉Na型)の温泉水において優れたLegionella属菌殺菌効果を発揮することが推察される。