2015.12.11
- レジオネラ文献
病棟の給湯システムにおけるレジオネラ環境感染とその対策
- 著者
- 新庄正宜目的1)、高野八百子1)、長谷川直樹1)、上遠野保裕2)、小林芳夫2)、加藤真吾3)、中原洋一郎4)、池田康夫1)
1)慶応義塾大学病院感染対策室、2)慶応義塾大学病院中央臨床検査部、3)慶応義塾大学医学部微生物学・免疫学教室、4)慶応義塾大学医学部施設課 - 出典
- 第20回日本環境感染学会総会
目的
定期水質検査において、配管1本が供給する給湯水から、レジオネラ属菌が検出されたため、当該配管および給湯貯水槽の消毒を実施、同配管からの給湯水の使用を中止した。その上で、環境調査と感染対策を行ったので報告する。
方法
全病棟の給湯貯水槽の水(温水)、同病棟の貯水槽の水(室温)、当該配管から供給される給湯水(温水)を用いて水質検査を実施した。
結果と考察
同一箇所および同病棟の給湯水からも菌が検出されたため、給湯システムから気泡を除くために設置された屋上の空気抜き弁の設置部が汚染源となる可能性を考慮し、配管の改修を行うと共に同部の培養を行った。その結果、これまでに検出された配管とは異なる配管1本からも検出された。空気抜き弁の設置改修4週間後に給湯水の培養を実施したが菌は検出されなかった。このことから、病院等の建築物ニおいて給湯システムから件が検出された場合には配管図を見直し、余剰水の高温維持が不十分になりやすい空気抜き弁設置部の配管が汚染源になる可能性を充分考慮する必要があると考えられた。