2015.12.11
- レジオネラ文献
環境水中Legionella属菌の迅速検出法
- 著者
- 大塚広樹、大國壽士
株式会社メデカジャパン総合研究所 - 出典
- 第53回 日本感染症学会 東日本地方会総会
第51回 日本化学療法学会 東日本支部総会 2004合同学会 一般演題抄録
目的
現在、環境水中のLegionella属菌の検出方法は培養法であるが、分離〜同定までに7〜10日を要し、迅速性に問題があった。そこで我々は、新に開発された二つの迅速検出キット「Cycleave PCR Legionella Detection kit」および「Bet-Side ICAN Legionella Detection kit」(いずれもタカラバイオ)を用い、環境水中のLegionella属菌DNAの迅速検出を試み、あわせて培養法との相関性を検討した。
方法
民間入浴施設などから採取した浴槽水サンプルおよびビルの冷却塔水サンプルを用い、検体前処理法としてろ過濃縮法および遠心濃縮法およびBet-Side ICAN法の感度、特異性を検討した。
結果と考察
高感度で安定した性能を示した。また、高感度ゆえ、培養法陰性検体での陽性率が高く、培養法との乖離が認められたが、ROC曲線によるカットオフCt値の検討により特異性の改善が可能であった。測定時間は、Cycleave PCR法で検体前処理から検出まで約3時間、Bet-Side ICAN法で約2時間と迅速であり、温泉や公衆浴場、冷却塔水などの環境水サンプル水中Legionella属菌の迅速スクリーニングに利用できると考えられた。