2015.12.11
- レジオネラ文献
客船に関連したレジオネラ症の集団発生における感染源の分子疫学
- 著者
- 倉文明1)、前川純子1)、八木田健司2)、遠藤卓郎2)、池野まり子3)、辻英高3)、田口真澄4)、小林一寛4)、渡辺治雄1)
1)国立感染症研究所細菌第1部、2)国立感染症研究所寄生動物部、3)兵庫県立健康環境科学研究センター、4)大阪府立公衆衛生研究所 - 出典
- 感染症学雑誌第78巻臨時増刊号
目的3名のレジオネラ肺炎患者を出した大型客船の環境調査を行い、菌を分離して患者喀痰由来の株と比較し感染源を分子疫学的に同定する。方法客船より採水した検体をWHO培地に接種してコロニーを分離した。菌株のDNAをPFGEによる解析を行った。結果男子浴槽、男子および女子浴槽ろ材、女子浴槽ヘアキャッチャーから分離されたL.pneumophila(Lp)血清群(SG)5と患者分離株のDNA型が一致した。これまで、海外では客船に関連して少なくとも10のレジオネラ肺炎のクラスターが報告されているが、LpSG1によるものが多く、LpSG5が感染源であると分子疫学的に特定された客船関連の症例は今回のが最初の報告となる。