2015.12.11
- レジオネラ文献
給湯水におけるレジオネラ汚染とその対策
- 著者
- 古畑勝則、高柳保、團野直子、岡田誠之、紀谷文樹
- 出典
- 日本公衛誌41:1073-1083.1994.
瞬間式20試料、貯湯式20試料、循環式40試料の給湯水についてレジオネラ菌の検出を試みた結果、瞬間式を除き、貯湯式2試料、循環式5試料の給湯水からLegionella pneumophilaが検出され、給湯水がレジオネラ症の感染源となる可能性が示唆された。レジオネラが検出された給湯水の湯温は41〜55℃と比較的低かった。経時的な調査結果から、一旦給湯系に定着したレジオネラは長期間にわたり生残、増殖しており、102〜103CFU/500mlの菌数で消長していることが明らかになった。こうしたレジオネラを除去するには、貯湯槽の清掃のみならず、加熱処理の併用が効果的であった。レジオネラ汚染の予防対策としては、末端での給湯温度を55℃以上に保持することが望ましいと考えられる。