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2015.12.11
  • レジオネラ文献

培養陽性本邦レジオネラ肺炎症例について,1980年から1990年まで

著者
荒川迪生、中浜力、田口善夫、稲松孝思、斎藤厚、原耕平、江崎孝行、薮内英子、上田泰
出典
感染症雑誌66:1513-1523.1992.

レジオネラ肺炎の診断基準を策定するための基礎となる確実な資料を得るため、過去11年間に培養陽性で診断が確定した本邦28症例の臨床データを収集し、多角的に解析した。28症例は北海道から九州までの全国にまたがり、このうち市中感染は18症例で、更にそのうちの8症例では有意な基礎疾患が認められなかった。一方、院内感染は10例であった。好発年齢は60〜70歳代であったが、全体としてみれば患者は20歳代以上の成人と新生児(1症例)に分布していた。28症例中生存し得たのは5症例に過ぎず、致命率は市中感染群で42%、院内感染群で32%であった。臨床検査データ及び有効治療剤についてはこれまでの文献記載の事項にほぼ一致していた。