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2015.12.11
  • その他

レジオネラ肺炎6例の臨床的検討

著者
米山浩英1)、大場秀夫1)、浅岡直子1)、砂川尚子1)、沖本二郎1)、二木芳人2)、松島敏春2)、副島林造3)
1.川崎医科大学附属川崎病院呼吸器内科、2.川崎医科大学呼吸器内科、3.川崎医療福祉大学
出典
感染症学雑誌第75巻第5号P.440第70回日本感染症学会西日本地方総会学術講演会後抄録

川崎医大附属病院呼吸器内科および川崎医大呼吸器内科で6例のレジオネラ肺炎を経験し、その臨床的検討を行った。症例は、36〜74歳まですべて男性で、5例に喫煙歴があり、温泉や健康ランド愛好家2例、大量飲酒家が1例あった。基礎疾患には2例に肝炎、肺癌、糖尿病を1例ずつと認めた。全ての症例で発熱、咳、痰などの呼吸器症状と下痢や食欲不振などの消化器症状があり、2例に中枢神経症状を認めた。レジオネラ菌が分離されたのは2例のみで、血清抗体価の上昇はLegionella pneumophila serogroup-1が4例、Legionella pneumophila serogroup-4が1例、Legionella micdadeiが1例であった。6例中5例は適切な抗菌薬が使用され救命できたものの、1例は救命できなかった。レジオネラ肺炎は市中肺炎の治療ガイドラインでも重症肺炎の起炎菌として重要であり、進行する肺炎では絶えず本疾患を考えて治療する必要があると思われた。