2015.12.11
- その他
静岡県温泉レジャー施設におけるレジオネラ症集団発生一臨床面から一
- 著者
- 佐藤雅樹1)、源馬均1)、千田金吾1)、竹本正興1)、安田和雅1)、吉富淳1)、柳瀬賢次1)、橋爪一光1)、山田勝康1)、野田康信1)、佐宗春美1)、杉山寛治2)
1.静岡県レジオネラ症研究会、2.静岡県環境衛生科学研究所 - 出典
- 感染症学雑誌第75巻第7号P.611第75回日本感染症学会西日本地方総会学術講演会後抄録[・]
静岡県内の循環式温泉レジャー施設のレジオネラ症集団発生について報告。2000年2月11日から4月1日までの51日間に確定診断例22例(肺炎20例、ポンティアック熱2例)、臨床診断例7例の確定診断例について検討した。平均年齢は67.0歳、半数の患者に基礎疾患を認めた。入浴者は女性が多かったが発病者の男女比は10:1と圧倒的に男性が多かった。症状は発熱がほとんどの例に認められ、次いで咳嗽、呼吸困難が多かった。胸部X線写真では両側性陰影が60%、多発性陰影が70%であり、その性状は肺胞性陰影が85%をしめた。レジオネラ症流行の報道前受診群では入院第1日にセフェム単独投与例が54%、第4日では8%であった。本症流行の報道後受診群では入院第1日より全例マクロライドを含む治療が行われており、患者発生情報の重要性が明らかであった。レジオネラ症は入浴施設における集団発生が多いので、入浴施設での感染が疑われたならば早急な届け出が必要と思われる。