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2015.12.11
  • その他

レジオネラ肺炎16例における胸部CTの検討

著者
土田文宏1)、柳生久永1)、武田彰久1)、中村博幸1)、須藤晃彦1)、岸厚次1)、大石修司1)、山口恵三2)、松岡健1)
1.東京医科大学内科学第五講座、2.東邦大学微生物学教室
出典
感染症学雑誌第75巻第7号P.612第75回日本感染症学会西日本地方総会学術講演会後抄録[・]

これまでレジオネラ肺炎の胸部単純レントゲン画像所見に関しては検討されているが、胸部CT画像での検討はない。レジオネラ肺炎の胸部CT画像を検討した。平成12年6月の本症集団感染事例において肺炎を発症しPCR、尿中抗原、血清抗体価などで確定された16例を対象に初療時の胸部CTの陰影の検討と臨床像を対比し検討した。尚、臨床像は日本呼吸器学会の肺炎の重症度分類を用いた。結果、陰影は両側性10/16例(63%)で、胸水は6/16例(38%)に認められた。均等影と間質影の併存は13/16例(81%)に認められ、均等影は5/13例(38%)がair-bronchogramを伴い、8/13例(62%)が肺の末梢を中心に存在した。2/16例(13%)は間質影単独で、1/16例(6%)はair-bronchogramを伴った均等一影単独で存在した。臨床像との対比においては、軽症から重症においてほぼ全例に間質影がみられ、重症なものほど均等影を伴う傾向がみられた。結果を受け、本症の胸部CT画像は均等影と間質影の併存例が多く、これらの所見は診断の一助となる可能性が示唆された。