Legionella Literature search レジオネラ文献検索

2015.12.11
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Legionella Bozemaniiによる胸水を初発症状としたレジオネラ症

著者
石田一雄1)、竹村弘2)、積玲子1)、長山義明1)、高橋悟1)、山本啓之2)、嶋田甚五郎2)、中山武正1)
1.聖マリアンナ医科大学呼吸器・感染症内科、2.聖マリアンナ医科大学微生物学教室
出典
感染症学雑誌Vol.76臨時増刊号March 2002.第76回日本感染症学会総会学術講演抄録P.108

今回、聖マリアンナ医科大学では、レジオネラ・ボゼマニによる胸水を初発症状としたレジオネラ症を経験したので報告している。症例は、75歳男性。平成13年1月1日にスティーブンスジョンソン症候群の疑いで聖マリアンナ医科大学皮膚科に入院。入院10日目の胸部単純写真、CT上左胸水を認め、胸水検査にてレジオネラ属が培養され、 Legionella Bozamanii特異間接蛍光抗体法にて陽性となった。その後、アジスロマイシン、リファンピシン、ミノサイクリンなどにて治療を行い一時的に小康状態を得たが、最終的に表皮ブドウ球菌性敗血症を併発し死亡した。分離されたLegionella Bozamaniiに対する抗菌薬感受性は、エリスロマイシン;0.25ug/mL、アジスロマイシン;0.25ug/mL、ミノサイクリン;4ug/mL、リファンピシン;0.002ug/mL未満であった。レジオネラ症では、胸水を初発症状とすることは比較的まれであり、特にLegionella Bozamaniiによる胸水初発のレジオネラ症は現在まで報告されておらず貴重な症例であると報告している