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2015.12.11
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レジオネラ肺炎原因菌とポンティアック熱原因菌の比較研究

著者
産業医大・医・微生物1、九州大学院・医・細菌2
宮本比呂志1、谷口初美1、吉田真一2
出典
日本細菌学雑誌 第58巻 第1号

レジオネラ症には肺炎型(レジオネラ肺炎)と非肺炎型(ポンティアック熱)の2つの病態(病型)がある。同一菌種がなぜ異なった病態をとるのか、未だに明らかになっていない。我々はこの病型決定因子を明らかにするため、レジオネラ肺炎原因菌とポンティアック熱原因菌の被各研究を開始した。

方法
レジオネラ肺炎原因菌とポンティアック熱原因菌の両菌株の肺胞上皮細胞由来の細胞株への付着・侵入能力についてin vitroで比較した。また、モルモットを使用して両菌株の吸入曝露実験を行い、直腸の温度と肺内の菌数を経時的に測定した。HE染色により肺組織像の観察も行った。

結果
ポンティアック熱原因菌株の細胞への付着・侵入能力は肺炎原因菌株に比べ約10〜50倍高かった。また、ポンティアック熱原因菌株は肺炎原因菌株と同様にモルモットに肺炎を引き起こした。

考察
ポンティアック熱原因菌株の侵襲率の高さが喉頭上皮への感染率の高さで説明できる可能性は示唆されたが、ポンティアック熱原因菌も肺炎を引き起こす病原性があることが明らかになった。今後、宿主側の因子も考慮に入れた菌側からのアプローチが必要であると思われる。