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2025.11.27
  • その他

Effects of Oakmoss Components on Extra- and Intracellular Legionella pneumophila and Its Host Acanthamoeba castellanii

著者
HARUE NOMURA, NOBUMASA SUDA, YASUYO KAWANO, YASUNORI ISSHIKI, KEISUKE SAKUDA, KATSUYA SAKUMA, SEIICHI KONDO
出典
Biocontrol Science, Vol. 27, No. 1, 21-29 (2022)
DOI:https://doi.org/10.4265/bio.27.21

Acanthamoeba castellaniiは環境水中に広く存在するアメーバ類である。このアメーバはヒトに対して病原性を持ち,またレジオネラ症の原因菌であるレジオネラ属菌の宿主でもある。天然香料成分の原料となるオークモスとその成分は,レジオネラ属菌に特異的に作用する抗菌作用を有している。本研究ではオークモスとその成分が,A. castellanii内のLegionella pneumophila(細胞外および細胞内)およびL. pneumophilaに対する殺菌効果について検討した。オークモス成分のうち,3-ヒドロキシ-5-メチルフェニル 2,4-ジヒドロキシ-6-メチルベンゾエート(1),3-メトキシ-5-メチルフェニル 2,4-ジヒドロキシ-6-メチルベンゾエート(2),および8-(2,4-ジヒドロキシ-6-(2-オキソヘプチル)フェノキシ)-6-ヒドロキシ-3-ペンチル-1H-イソクロメン-1-オン(8)は,試験培養物中の菌数(細胞外および細胞内)を減少させ,また,A. castellaniiに対するIC50値よりも低い濃度で,A. castellanii内のL. pneumophilaに対して高い殺菌活性を示した。対照的に,6,8-ジヒドロキシ-3-ペンチル-1H-イソクロメン-1-オン(5)は,処理後24時間でL. pneumophilaの菌数を減少させた(P < 0.05)。一方,A. castellaniiに対するIC50値よりも低い濃度では,A. castellanii内ではL. pneumophilaに対して殺菌活性を示さなかった。したがって,これらのオークモス成分はレジオネラ感染症を予防するための消毒剤として優れた候補となる可能性があることが示唆される。