著者

AKIKO EDAGAWA, NORIHIRO MATSUDA, TORU OGURA, KENICHI UEZONO, SHINJI IZUMIYAMA, AKIRA FUJII

出典

Biocontrol Science, Vol. 26, No. 4, 187-192 (2021)
DOI：https://doi.org/10.4265/bio.26.187

入浴施設の「アヒル風呂」で浴槽に浮かべたゴム製アヒルの内部の微生物汚染を，細菌数およびアメーバ数で評価した。一般細菌，従属栄養細菌，レジオネラ遺伝子（LAMP法）などの微生物検査の結果，ゴム製のアヒルの微生物汚染は時間とともに増加することが示された。次亜塩素酸ナトリウムで洗浄した場合はこれらの微生物汚染は検出されなかったが，電解水で洗浄した場合は，拭き取り試料中にアヒル1羽あたり103個の一般細菌および従属栄養細菌が検出された。ゴム製のアヒルを適切に洗浄しないと，細菌類や自由生活性アメーバ類が増殖してバイオフィルムを形成し，ヒトに感染症を引き起こす可能性がある。また，アヒルの内部の微生物汚染は浴槽全体の塩素処理を低下させ，浴槽水からレジオネラ症などの細菌感染症を引き起こす可能性がある。