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2025.11.27
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Effects of Oakmoss and its Components on Acanthamoeba castellanii ATCC 30234 and the Uptake of Legionella pneumophila JCM 7571 (ATCC 33152) into A. castellanii

著者
HARUE NOMURA, YASUNORI ISSHIKI, KEISUKE SAKUDA, KATSUYA SAKUMA, SEIICHI KONDO
出典
Biocontrol Science, Vol. 20, No. 1, 59-65 (2015)
DOI:https://doi.org/10.4265/bio.20.59

水環境に普遍的に生息するAcanthamoeba castellaniiは,ヒトに対して病原性を示すだけでなく,レジオネラ症の原因菌であるレジオネラ属菌の宿主でもある。天然香料成分であるオークモスとその成分は,レジオネラ属菌に対して特異的な抗菌作用を有している。本研究では,オークモスとその成分を用いて,A. castellanii ATCC 30234に対する殺アメーバ活性,およびL. pneumophila JCM 7571 (ATCC 33152)のA. castellaniiへの取り込み阻害効果を検討した。オークモスとその成分である3-ヒドロキシ-5-メチルフェニル2,4-ジヒドロキシ-6-メチルベンゾエート(5),および6,8-ジヒドロキシ-3-ペンチル-1H-イソクロメン-1-オン(12)は,処理48時間後に高い殺アメーバ活性(IC50値; それぞれ10.5 ± 2.3、16.3 ± 4.0、および17.5 ± 2.8 μg/mL)を示し,これは対照物質のグルコン酸クロルヘキシジンと同等であった。L. pneumophilaをオークモス,5、3-ヒドロキシ-5-メチルフェニル-2-ヒドロキシ-4-メトキシ-6-メチルベンゾエート(10),および8-(2,4-ジヒドロキシ-6-ペンチルフェノキシ)-6-ヒドロキシ-3-ペンチル-1H-イソクロメン-1-オン(14)の最小発育阻止濃度未満で前処理したところ,L. pneumophilaA. castellaniiへの取り込みが明らかに減少した(p < 0.05)。化合物5のL. pneumophilaへの取り込み阻害効果は,対照として用いたアンピシリンの阻害効果とほぼ同等であった。したがって、オークモスおよびその成分は,レジオネラ属菌だけでなくA. castellaniiに対する消毒剤としても優れた候補であると考えられた。