Legionella Literature search レジオネラ文献検索

2025.11.27
  • その他

紙上ミニシンポジウムⅠ 〜水の衛生管理〜
3.貯水槽水道で滞留した水道水からのレジオネラ属菌および関連微生物の検出状況

著者
大河内由美子(麻布大学 生命・環境科学部),泉山信司(国立感染症研究所 寄生動物部),前川純子(国立感染症研究所 細菌第一部)
出典
日本防菌防黴学会誌,Vol.48,No.8,pp.377−382(2020)

貯水槽水道内の使用頻度の低い給水栓から初流水を採取し,レジオネラとその宿主である自由生活性アメーバの検出状況を調べたところ,約3割の給水栓からレジオネラが検出された。再増殖が起こりやすい場所を絞り込むため,検出頻度の高かった3つの受水槽について微生物調査を実施したが,いずれからもレジオネラは不検出,かつ内壁面のバイオフィルム形成も抑制されていたことから,汚染は各給水栓近傍で局所的に進行したと考えられた。レジオネラ陽性試料では遊離塩素がほぼ消失していた一方,自由生活性アメーバは遊離塩素が0.4 mg/Lを超える試料からも検出されたことから,レジオネラリスク低減に向けて宿主となる自由生活性アメーバに関する情報蓄積も必要である。