著者

枝川亜希子（大阪健康安全基盤研究所 衛生化学部）

出典

日本防菌防黴学会誌，Vol.47，No.6，pp.229−232（2019）

自由生活性アメーバは土壌や水などの環境中に広く生息する原生動物である。レジオネラと生息環境が類似しており，アメーバが検出される水環境ではレジオネラが高率で検出される。アメーバの多くは非病原性であるが，レジオネラなどの病原細菌類の増殖の場となり，感染症の発生に関与している。そのため，レジオネラ対策では，レジオネラだけでなく宿主であるアメーバも含めた対策を講じることが公衆衛生上重要である。また，アメーバの中にはヒトに対し強い病原性を有する種も存在する。本稿ではアメーバの特性やレジオネラとの関係，検出方法，生息状況などについて解説する。