2025.11.27
- レジオネラ文献
環境水からのレジオネラ・宿主アメーバ検出とその制御[10]
浴槽のレジオネラ対策3 モノクロラミンによる消毒方法について
- 著者
- 杉山寛治((株)マルマ 研究開発部)
- 出典
- 日本防菌防黴学会誌,Vol.47,No.4,pp.159−166(2019)
米国の水道で実用化されているモノクロラミン消毒を入浴施設へ応用する研究を進めてきた。本稿では,モノクロラミンのレジオネラやアメーバの不活化等に関する実験データや,実際の入浴施設での消毒試験データ等を紹介する。アルカリ泉質や,アンモニア,鉄・マンガンイオン等を含む温泉を使用する循環式浴槽水の消毒には,アルカリ条件下でも殺菌効果が高く,遊離塩素よりも濃度安定性があるモノクロラミン消毒が適している。今後,モノクロラミン消毒は遊離塩素消毒が難しい泉質を中心に導入され,優れたレジオネラ属菌対策として,施設の衛生管理と,利用者の安全性の向上に役立てられることを期待したい。