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2025.11.26
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病院におけるWater Hygiene管理

著者
中村 造
出典
日本環境感染学会誌, Vol. 34, No. 6, 271-276 (2019)
DOI:https://doi.org/10.4058/jsei.34.271

 

医療施設における水衛生のリスクと重要性は,世界中で広く認識されている。しかしながら,日本では病院の水衛生にはほとんど注意が払われていない。病院の水衛生とアウトブレイクに関する研究は数多く行われてきており,水中の病原菌はレジオネラ属菌,非結核性抗酸菌,腸内細菌科まで多岐にわたる。施設内の水栓,水盤,配水管,貯水槽,冷暖房装置,人工呼吸器,ネブライザーもリスクにさらされている。日本では塩素消毒が一般的に使用されており,海外では他にも様々な消毒剤が使用されている。適切な温度管理,定期的な水栓の洗浄,塩素濃度の維持管理は,日本でも実施可能で合理的な戦略である。水盤や水出口のスタイルは水関連感染の予防に重要な要素であるが,日本で一般的に使用されている自動水栓は給水温度が低く,また自動給水時間も微生物を殺菌するには不十分であるため,大きな障害となる可能性がる。国や文化的な要因を考慮し,日本の水衛生と安全に関するガイドラインを策定する必要がある。